L o a d i n g
▼背景
福岡・熊本・大分を舞台に開かれる国際サイクルロードレース大会「ツール・ド・九州」。自転車レースの国内認知度は高くなく、世界的に有名な「ツール・ド・フランス」を知っている九州の人々は多いものの、それに端を発した大会が自分の目の前で開かれる実感がわかないのが実情です。
そこで今回の体験では、自転車文化の聖地であるフランスと、ツール・ド・九州のホストシティである日田市を結ぶことで、こうした無関心の壁を打ち壊し、言語の壁を超えて国際的な大会への関与意識や、自分の住む街への愛着(シビックプライド)の向上を目指します。
また参加校の所在地であるフランス・ノルマンディー地方は、首都パリから車で3時間ほどの地方都市で、異文化への接点が少ない地域と言えます。日田との交流によって、自分たちの自転車文化が遠く離れた日本に根付いていることを知る機会を通じて、彼らにとっても驚きと発見を通じた自文化理解を促します。
▼開催概要
・日程:11月7日~ 12月12日(全4回)
・参加者:大分県立日田高校(大分県日田市)12人
スルドゥヴァル中学校(フランス・ノルマンディー地方)17人
▼体験内容
<STEP1:チームビルディング>
フランス人と日本人の学生が同じチームとしての一体感を持つためのアクティビティを行い、初対面同士の緊張感をなくして相手への親近感を持たせるチームビルディングを行いました。
ジェスチャーを交えた自己紹介で笑いを誘ったり、「海と山のどちらが好き?」「運動とビデオゲームどちらが楽しい?」など全員の好みを探り共通点に喜んだりして、徐々に言葉の壁を超えた自発的なコミュニケーションを促します。
次のステップでは、出そろった共通点に基づいて自分たちのチーム名を決めながら、チームとしてのアイデンティティを活性化しデザイン制作に向けたチームワークを育みました。
<STEP2: デザイン制作>
このセッションでは、NOMADOプロジェクトで実践している思考の発想・発散方法を用いて、デザインの制作に焦点を当てます。
生徒たちは発想力を高めるトレーニングとして、前回決定した自分たちのチーム名から連想される色や形容詞、素材・質感などカテゴリーごとにキーワードを発散させました。
例えば、「ライトシャークス」というチームは、「メタリックブルー」「鮮血」「ゴールド」といった色や、「襲う」「噛む」「突き進む」といった動詞、「鮫肌」「半透明」「縞模様」といった素材・質感の特徴のキーワードを口々に発表します。
最後に、こうしたキーワードをもとに人工知能を活用してデザインのモックアップを作成。デザイン制作という共創体験を通じて、相手への興味関心、共感、尊敬の感情を引き出していきました。
▼与えたインパクト
体験の感想を聞く事後アンケートを実施し、参加生徒20人から回答を得ました。
・相手文化への心理的距離の縮まり
「フランス/日本に興味を持ちましたか?」という質問に対し、5人(25%)が「フランス/日本が大好きになった、フランス/日本に住みたい」、11人(55%)が「フランス/日本文化を知るために現地に行ってみたい」と回答。
「フランス/日本の子供たちと繋がりを感じることができましたか?」という質問には、9人(45%)が「とても親密に感じた」と答え、言語・距離の制約を超えて心理的距離を縮め、相手文化への興味関心が育めたことが分かりました。
・地域イベントへの参加意欲の向上
体験前、ツール・ド・九州について「知っていた」と回答した生徒は0人でしたが、体験後には「ツール・ド・九州を応援したいと思いますか?」という問いに19人(95%)が「もちろん応援する」または「応援する可能性あり」と回答しました。日田高校の生徒たちにとって、スルドゥヴァル中学校の生徒たちとの共創によって、ツール・ド・九州への関与意欲が向上していることが分かります。
・異文化への交流意欲の向上
日田高校の生徒からは「もっと海外の人と関わる仕事がしたい」「世界のスポーツに関わって支援をしたい」、スルドゥヴァル中学校の生徒たちからは「他の国にも友達ができることを知った」「修学旅行で日本に行きたい」といった声が上がり、両地域の間に国際的な交流や長期的な関係の持続を望む意欲が芽生えたことが分かりました。
<本件に関するお問合せ先>
ツナガル株式会社
メール:nomado@tsunagaru.co.jp
担当:藤田